こんにちは、ひやニキです。
「コスプレメイクで一番難しいのって何?」と聞かれたら、僕は迷わず「目の大きさの再現」と答えます。
同時に一番効果が現れるのも目だと思っております。
アニメやゲームのキャラクターって、現実ではありえないくらい大きな目をしていますよね。
顔の3分の1を占めるような目、瞳孔が星型になっているような目、そんな二次元の目を三次元で再現しようとすると、普通のメイクじゃ限界があります。
でも、諦める必要はありません。
今回紹介する「ダブルライン」というテクニックを使えば、整形なしでキャラクターに近い目元を作ることができるんです。
実は最近、このテクニックについてYouTube動画も作ったので、その内容も踏まえながら、じっくりと解説していきたいと思います。
ダブルラインとの出会い、そして苦悩
僕がダブルラインを知った当時、どうしても再現したかったキャラクターがいました。切れ長の目を演出したいものの、でも大きく描きたいという「矛盾した美しさ」の表現に挑んでいました。
普通にアイラインを引いても、つけまつげを重ねても、どうしても「何か違う」感が拭えなかったんです。
そんな時、イベントで出会った先輩コスプレイヤーさんに教えてもらったのがダブルラインでした。
最初に見せてもらった時の衝撃は今でも覚えています。
「え、そこに線を引くの?」って。
でも実際にやってもらうと、目の印象がガラッと変わったんです。
まるで骨格から変わったような、そんな錯覚さえ覚えました。
ただ、自分でやってみると、これがまた難しい。
最初の1ヶ月は、まるで子供の落書きみたいな仕上がりでした。
左右で高さが違ったり、ガタガタになったり、濃すぎて歌舞伎役者みたいになったり。
googleで「ダブルライン やり方」で検索しても、当時はまだ情報が少なくて、試行錯誤の連続でした。
そもそもダブルラインって何?歴史から紐解く
ダブルラインという技術、実はコスプレ界オリジナルではありません。
元々は舞台メイクから生まれた技術の流れをくみます。
で、SNSの普及と共に、より「映える」メイクが求められるようになり、ダブルラインは瞬く間に広まりました。
特に中国や韓国のコスプレイヤーさんたちの間で技術が洗練され、今では様々なバリエーションが生まれています。
簡単に言うと、ダブルラインとは「本来の二重のラインとは別に、もう一本ラインを描き足す」技術です。
でも、ただ線を引けばいいってものじゃない。
目の構造を理解して、光と影の関係を把握して、そしてキャラクターの特徴を分析して、初めて効果的なダブルラインが描けるようになるんです。
実は科学的?ダブルラインが目を大きく見せる理由
なぜダブルラインで目が大きく見えるのか、これには視覚的なトリックが隠されています。
人間の脳は、影がある部分を「奥行き」として認識します。
ダブルラインを描くことで、まぶたに新たな影を作り出し、目の縦幅が実際よりも大きく見えるようになるんです。
さらに、アニメやマンガのキャラクターの目を分析すると、多くの場合、上まぶたに複数の線が描かれていることに気づきます。
これは二次元での表現技法ですが、ダブルラインはまさにこれを三次元で再現する技術なんです。
必要な道具と、僕なりのこだわり
動画でも使用していますが、ダブルラインに必要な道具をご紹介します。
ただ、高価なものを揃える必要はありません。むしろプチプラで十分。
大切なのは道具の選び方と使い方です。
まず絶対に必要なのがアイライナー。僕のおすすめは、リキッドタイプの薄いブラウン系です。
黒だと強すぎて不自然になりがち。Love Linerの赤みがかったブラウンは、日本人の肌になじみやすくて使いやすいです。
KATEのダブルラインエキスパートも専用商品として優秀です。
次に重要なのが、実は100均のアイブロウ。「え、100均?」と思うかもしれませんが、これが意外と使える。
特にダイソーのU-Agramシリーズは、芯が細くて下書きにも陰影を書くのにも最適です。
そして忘れちゃいけないのがコンシーラー。これは修正用です。
ダブルラインを描いていて「あ、失敗した」となった時、全部落として最初からやり直すのは時間の無駄。
コンシーラーで部分的に修正する方が効率的です。
実践編:僕流ダブルラインの描き方
さて、ここからが本題です。
動画では実演していますが、文章でしか伝えられない「なぜそうするのか」という理論的な部分も含めて解説していきます。
動画はこちらから↓
ステップ1:自分の目を知る
まず鏡を見て、自分の目の形を観察してください。
一重なのか、奥二重なのか、二重なのか。そして重要なのは、目を開いた時にどこまでまぶたが見えるか。
この「見える範囲」がダブルラインを描く場所になります。
僕の場合、元々やや奥二重と一重なので、普通に目を開いた状態では二重のラインが狭いです。
だから、見える位置より少し上に理想のラインを設定します。
(僕の動画では疑似奥二重のためアイラインで二重を消してあります)
これが最初のポイント。
自分の目の構造を無視して描いても、不自然になるだけです。
ステップ2:下書きという名の設計図
眉ペンシルで薄く下書きをします。この時、一気に線を引こうとしないでください。
点を打つように、少しずつつなげていくイメージです。目頭から始めて、黒目の上を通り、目尻に向かって自然なカーブを描きます。
ここで大切なのは「左右対称にこだわりすぎない」こと。
人間の顔は元々左右非対称です。完璧な対称を目指すと、かえって不自然になります。
ステップ3:本描きで勝負を決める
下書きが決まったら、いよいよ本描きです。
ここでリキッドアイライナーの出番。
筆先を寝かせるように持ち、下書きをなぞっていきます。
この時のコツは「一度で完璧を目指さない」こと。
薄く2〜3回重ねる方が、自然なグラデーションができます。
特に目尻の処理が重要です。キャラクターによって、跳ね上げるのか、下げるのか、まっすぐ伸ばすのか変わってきます。
例えば、クール系のキャラなら少し跳ね上げて、可愛い系なら少し下げる。
この数ミリの違いが、キャラクターの印象を大きく左右します。
ステップ4:境界線をぼかす魔法
ダブルラインで一番難しいのが、実はこの「ぼかし」の工程です。
くっきりした線のままだと、いかにも「描きました」感が出てしまう。
そこで、綿棒や細いブラシを使って、ラインの上側を軽くぼかします。
ここで活躍するのがブラウン系のアイシャドウ。
ラインと同系色のシャドウを、ラインの上に軽く乗せることで、自然な影のように見せることができます。
この一手間が、プロっぽい仕上がりとアマチュアっぽい仕上がりの分かれ目です。
ステップ5:ハイライトで立体感を演出
ダブルラインと元の目の間、つまり新しく作った「二重幅」にハイライトを入れます。
これによって、その部分が前に出ているように見え、立体感が生まれます。
ハイライトは、パール入りのものがおすすめ。
ただし、ギラギラしすぎると下品になるので、上品な輝きのものを選びましょう。
指で軽くポンポンと乗せる程度で十分です。
キャラクター別応用テクニック
正直幻想的なのはガリガリダブルライン濃く書くよね、うん。
さておきダブルラインの基本ができたら、次はキャラクターに合わせたアレンジです。僕が実際にやってきた中で、特に効果的だったパターンをいくつか紹介します。
進撃の巨人・リヴァイ兵長タイプ
切れ長でシャープな目が特徴のキャラクターには、細めのダブルラインを目尻重視で入れます。
目頭は薄く、目尻に向かって濃くなるグラデーション。
そして目尻は思い切って5mmくらい延長します。これで、あの鋭い眼差しが再現できます。
鬼滅の刃・煉獄杏寿郎タイプ
他に表現しようがないから煉獄さんを名前借りるぞ!
大きくて力強い目を表現するには、太めのダブルラインを平行に入れます。
特に黒目の上を太くすることで、目力が増します。
そして特徴的なのは、下まぶたにも影を入れること。これによって、あの情熱的な目元が完成します。
女性キャラクター全般
女性キャラの場合、ダブルラインは優しい印象にすることが多いです。
ブラウンやピンクブラウンのライナーを使い、目尻は少し下げ気味に。
そして涙袋メイクと組み合わせることで、より女性らしい柔らかな目元になります。
よくある失敗と対処法
ここまで読んで「よし、やってみよう!」と思った人のために、僕が経験した失敗とその対処法をお伝えします。
失敗1:線がガタガタになる
これは誰もが通る道です。対処法は、肘を固定すること。
テーブルに肘をついて、手首だけを動かすようにすると、線が安定します。
また、一気に引こうとせず、短い線をつなげていく方法も有効です。
失敗2:濃すぎて歌舞伎みたいになる
最初は加減が分からず、つい濃く描いてしまいがち。
これを防ぐには、最初は薄く描いて、徐々に濃くしていくこと。
「もう少し濃くてもいいかな」と思うくらいでストップするのがコツです。
失敗3:写真だと効果が分からない
せっかくダブルラインを頑張っても、写真に撮ると分からない…これ、照明の問題です。
正面からの強い光は、せっかく作った影を消してしまいます。
撮影の時は、斜め上からの光を意識すると、ダブルラインの効果がしっかり出ます。
メイクを落とす時の注意点
コスプレメイクは、通常のメイクより濃いので、落とし方も重要です。
特にダブルラインは、まぶたの上の方まで描いているので、しっかりクレンジングしないと色素沈着の原因になります。
僕のおすすめは、ポイントメイクリムーバーを使うこと。
コットンにたっぷり含ませて、10秒くらい押し当ててから、優しく拭き取ります。
ゴシゴシこすると、皮膚が薄いまぶたを傷めてしまうので注意してください。
こういう綿棒のメイク落としがすごくオススメだぞ!!
最後に:ダブルラインは「魔法」じゃなくて「技術」
ダブルラインを初めて成功させた時、鏡を見て「これが自分?」と驚いたのを覚えています。
でも、これは魔法じゃなくて、練習すれば誰でも習得できる技術です。
最初は上手くいかなくて当たり前。僕だって、最初の1ヶ月は失敗の連続でした。
でも、諦めずに練習を続ければ、必ず上達します。
そして、自分の思い描くキャラクターに近づけた時の喜びは、何物にも代えがたいものがあります。
動画では、実際の手の動きや筆圧なども確認できるので、ぜひ参考にしてみてください。
そして、もし分からないことがあれば、コメントで質問してくださいね。
コスプレは、なりたい自分になれる素晴らしい文化です。
ダブルラインという技術を味方につけて、あなたも理想のキャラクターに変身してみませんか?
次回は、ダブルラインと相性抜群の「涙袋メイク」について詳しく解説する予定です。お楽しみに!
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