イベント朝のある日。鏡を見て絶句しました。
右目のアイラインが、まるで歌舞伎役者のように太く跳ね上がっていた……。
左目は完璧なのに、右だけ大失敗。メイク落としで全部やり直す時間なんてない。
そんな絶望的な朝から7年。
今では、どんなメイク失敗も即座にリカバリーできるようになりました。
コスプレイヤーとして年間100回以上メイクをし、その半分は失敗してきた僕だからこそ実践している「緊急リカバリー術」があります。
実は、メイクの失敗って「なかったことにする」より「活かす」方が圧倒的に早くて綺麗に仕上がることが多いんです。
美容雑誌やYouTubeのメイク動画でも、失敗を「計算されたテクニック」に変える方法がよく紹介されています。
今回は、僕が5年間で実践してきた「失敗を成功に変える10の方法」を、実際の失敗エピソードと共にお伝えします。
1. アイラインが太くなりすぎた時の「ぼかしグラデーション術」

「やばい、今日のアイライン、まるでマジックで書いたみたい…」
初めてリキッドアイライナーを使った日のことでした。
あるアイライナーを買ったはいいものの、筆圧の加減が分からず、まぶたに極太の線を引いてしまったんです。
でも、ここで諦めてはいけません。
太すぎるアイラインは、実は「スモーキーアイ」のベースとして活用できることがあります。
まず、綿棒(できればオリーブバージンオイルを少し含ませたもの)で、アイラインの上部分だけを外側に向かってぼかします。
この時のポイントは、下のラインは絶対に触らないこと。
目のキワのラインがしっかり残っていれば、目力はキープできます。
次に、手持ちの一番濃いブラウンアイシャドウを、ぼかした部分に軽く重ねます。
すると、失敗した太いアイラインが、グラデーションアイメイクに変身することがあります。
ブラウンならオススメはCEZANNEのトーンアップアイシャドウなど
参考:
資生堂の公式サイトのメイクアップテクニックページでも、アイラインをぼかしてグラデーションを作る方法が紹介されています。
また、美容雑誌「MAQUIA」でも、スモーキーアイの基本テクニックとして、濃いラインから始めるグラデーション法が掲載されることがあります。
2. 眉毛が左右非対称になった時の「黄金比率リセット法」

眉毛の左右差。これは多くの人が抱える悩みだと言われています。
ある日、張り切って眉毛を整えていたら、右眉だけ細くなりすぎてしまいました。
左眉に合わせようとして描き足したら、今度は太すぎて、まるで海苔を貼ったような仕上がりに…。
この失敗から学んだのは、「完璧な対称を目指さない」ということでした。
実は、人間の顔は誰一人として左右対称ではありません。
美容研究家の多くが、「左右の眉を完全に同じにしようとすると、かえって不自然になる」と指摘しています。
眉毛が非対称になってしまった時は、まず深呼吸。
そして「より自然に見える方の眉」を基準にして、もう片方を「7~8割程度似せる」ことを目標にすると良いとされています。
具体的には、KATEのデザイニングアイブロウ3Dのような3色パレットを使って、薄い色から順番に重ねていきます。
一番薄い色で全体のベースを作り、中間色で形を整え、濃い色は眉頭だけにちょんちょんと置く程度。
コノ商品は眉を書く際の必需品というくらいみんな持ってる商品ですね。
出典参考:
日本メイクアップ技術検定協会のテキストでも、「眉は姉妹であって双子ではない」という表現で、完全な対称を求めない考え方が示されています。
3. ファンデーションの厚塗り感を消す「水スプレー仕上げ」

「今日のメイク、なんか厚化粧っぽい…」
下地、コンシーラー、ファンデーション、パウダー。
全部丁寧に塗ったはずなのに、なぜか「メイクしてます!」感が強すぎる朝がありました。
こんな時、30秒で厚塗り感を軽減する方法があります。
それが「水スプレー仕上げ」です。
スプレーボトルに水道水を入れて、顔から30cm離して、シュッと一吹き。
その後、ティッシュで優しく押さえるだけ。これで粉っぽさが軽減されることが多いです。
実際の商品例:
M.A.Cのプレップ プライム フィックス+や、Urban Decayのオールナイター セッティングスプレーなど、専用のフィックススプレーも販売されています。
これらの商品説明では、メイクの仕上げにスプレーすることで、自然な仕上がりになると記載されています。
ポイントは、絶対にこすらないこと。
ティッシュを顔に優しく押し当てて、余分な水分を吸い取るだけにすることが大切です。
4. チークの入れすぎを活かす「血色感演出テクニック」

「おてもやん」
友達にそう言われた時の衝撃は忘れられません。
当時新しく買ったチークが思った以上に発色が良くて、頬が真っ赤になってしまった時がありました。
まだコスプレ初めてすぐの頃だったかなあ…懐かしい。
でも、この失敗から新しいメイク法を発見しました。
チークが濃すぎる時は、それを「血色感」として顔全体のバランスを整えることで、自然な印象に近づけることができる場合があります。
まず、何もついていないスポンジで、チークの境界線をぼかします。
そして、同じスポンジで、鼻筋の横、あご先、耳たぶにも軽くポンポンとチークを広げてみます。
最後にパウダーファンデーションやフェイスパウダーでもう一度なじませれば完成。
すると、頬だけが赤い状態から、全体的に血色の良い印象に変わることがあります。
ただ、最近はアイシャドウをゴリゴリにするメイクが多いのでチーク自体使うことがなくなりましたが……。
とは言え一個覚えたことのある小手先技術だったので掲載します。
5. マスカラのダマを素早く取る「ピンセット活用法」

マスカラのダマは、朝のメイクでよくある失敗の一つです。
特にヒロインメイクのロング&カールマスカラのような繊維入りマスカラは、急いで重ね塗りすると、まつ毛同士がくっつきやすくなることがあります。
通常はマスカラコームで梳かすことが推奨されていますが、時間がない時の応急処置として、眉毛用のピンセット(先が斜めになっているタイプ)を使う方法もあります。
ダマになった部分を軽くつまんで、まつ毛を傷めないよう注意しながら、くっついたまつ毛を離していきます。
注意: この方法は応急処置であり、まつ毛を傷める可能性があるため、できれば専用のマスカラコームを使用することをおすすめします。
6. リップがはみ出た時の「グラデーションリップ変換術」

口紅を塗る時、つい力が入って、唇の輪郭をはみ出してしまうことがあります。
特に、発色の良いちふれの口紅のような高発色リップでは起きやすい失敗です。
はみ出したリップは、グラデーションリップ風にアレンジすることで、失敗を目立たなくすることができます。
まず、綿棒で唇の外側のはみ出した部分を、内側に向かってぼかします。
完全に拭き取るのではなく、薄く色を残すのがポイント。
次に、唇の中央により濃い色(同じリップでOK)を重ねます。
トレンド情報:
韓国コスメブランドの多くが、グラデーションリップの作り方をSNSで紹介しています。
この技法は「ティントリップ」や「グラデリップ」として、実際に多くの人に愛用されているメイク法です。
7. アイシャドウの粉飛びを防ぐ「後づけベース法」

アイシャドウを塗った後、頬に粉が飛び散っていることがよくあります。
ラメ入りアイシャドウは特に粉飛びしやすいと言われています。
粉飛びした後の対処法として、以下の方法を試してみてください:
まず、大きめのブラシで頬の粉を払います。
次に、エクセルのアイシャドウベースのようなアイベースを米粒大、指に取って、粉飛びしていた部分に軽くたたき込みます。
その上から、ファンデーションを薄く重ねることで、カバーすることができます。
8. 鼻筋のハイライトがテカリに見える時の「マット変換術」

鼻筋にハイライトを入れすぎて、テカリのように見えてしまうことがあります。
パール感の強いハイライトでは特に起こりやすい現象です。
こんな時は、ティッシュで軽く押さえた後、透明なフェイスパウダーを薄くはたくことで、ツヤ感を残しながらテカリを抑えることができます。
皮脂吸収パウダーが効果的とされていますので、ひとつ持っておくと便利。
9. 二重テープが目立つ時の「アイライン隠し」

これは人によって使える使えないあるからオマケ的紹介。
二重テープや二重のりを使っている場合、角度によって光って見えることがあります。
二重アイテムを目立たなくする方法の一つとして、「点線アイライン」があります。
まつ毛の間を埋めるように、点々とアイラインを置いていくことで、二重テープのラインが自然に馴染むことがあります。
あとは、薄めのブラウンライナーで目頭からしっかり二重を描いてしまうこと。
とにかく逆に「思い切り二重ですよ」って感じを出せば誤魔化しはきくもの。
問題はどのみち加工する時にせかせかやらなきゃならないんですけどね…加工の際はカメラアプリ系での加工よりもライトルームで二重をなぞってシャドウ・露光量イジって暗くする方が自然になります。
まとめ
メイクの失敗は誰にでも起こります。
大切なのは、その失敗をどう活かすかということ。
これらのリカバリー術は、あくまでも応急処置ですが、朝の忙しい時間には役立つことがあります。
もちろん、基本的なメイク技術を身につけることが一番重要ですが、失敗した時の対処法を知っておくことで、メイクへの恐怖心も和らぐのではないでしょうか。
メイクは練習と経験の積み重ねです。失敗を恐れず、楽しみながら上達していきましょう。


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